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第3話

僕は白無垢を纏い、いつの間にか整えられ婚礼の準備の出来た部屋へと案内された。 島岡いわく 「先に親族の方々にお披露目に御座います。その後、お二人で3日の間、離れの方にて我が主(あるじ)と共に過ごして頂きます。そちらで見たもの全て他言無用でにて、誰にも話してはなりません。」 「3日も・・・」 「はい。3日の間、外部との接触は許されません。食事は持って参りますので、ご心配には及びません。」 「わかり・・ました・・・」 「お優しい方ですので心配はいりませんよ。」 「はい。分かってはいるのですが・・・」 「大丈夫です。タクミ様・・・義一様はお優しい方です。信じてあげて下さい。」 島岡の言う「お優しい方」と言う言葉を信じて、お披露目の場についた。 島岡が襖を開けた先には紋付袴の出で立ちに鬼の仮面を付けた親族が部屋の両脇にずらりと並んでいた。 僕は異様な雰囲気に息を飲み歩が止まった。 真っ直ぐに伸びた朱色の敷物の上を、促され高砂にて待っている鬼の元へと向かった。

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