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第4話
鬼の面を被る親族の間を、ゆっくり1人で歩いて進む。
前に進む程に不安は大きくなる。
ただ、前方にいる金色の髪をした鬼は仮面をつけてはいるが恐怖は感じなかった。
前方の高砂についた頃には酷く神経が消耗していて緊張はピークに達しそうだった。
今、僕の目の前にいるこの金色に輝く髪をした鬼は仮面のしたから覗く瞳は優しいと何故か感じた。
島岡に言われたからかも知れない。
いや、どこか懐かしいとさえ思ってしまう。
僕が、隣の席に着くと親族から声が上がった。
「義一様、良き花嫁を貰われた。
今宵、我が里の正真正銘の長となられた証。
我ら一族皆で祝い申し上げる。
さぁ、花嫁よ・・・長と盃を交わし我が一族の未来を照らして下さいませ。喜んでお迎え致します。」
すーっと盃が目前に差し出された。
先に義一様が、次いで僕が・・・
盃を交わして僕は正真正銘、この里の長の妻と認められた。
「盃を交わし終わりましたので、次の儀式に移らせていただきます。
今宵は花嫁を迎えた祝いの席。
皆に祝いの膳を振る舞おう。
心ゆくまで、飲んで食べて祝ってくれ。」
そう言うと義一様は僕の手を取り祝いの席を離れた。
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