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第14話
それから昼夜問わず義一様に抱かれていた。
「もう・・・」
「まだ足りない・・・」
「ぎい・・ち・・さま・・・・ん・・・・・・」
「タクミ・・・・・」
義一様に優しく翻弄され、ゆらゆらと揺らぐ炎の中、不思議な感覚が宿った。
まさか・・・ね・・・・
僕は男だから、無理なのだと分かりきっている。
でも、この不思議な場所ならば、それも可能なのだろうかと思ってしまう。
本当に可能ならば、どんなにいいだろう。
不意に義一様の視線に気付いた。
「どう・・・されま・・したか・・・」
「何を考えておった・・・」
「あ・・・」
「言うてみい」
「・・・不思議な感覚があったので・・・」
「ほう、ここにか?」
そう言って義一様の手は僕の腹部をそっと撫でられた。
腹部を撫でられた事に驚いた。
「はい、不思議ですね・・・僕は男です。そんなふうに思うことなどありはしないのに、義一様の子を・・・」
「産みたいと思うてくれたのだな」
「はい・・・」
「そうか、では子が宿るよう、もっと愛さねばならんな・・・」
優しい笑顔で義一様は、そんな風に言って下さる。
僕は、義一様に愛されてこの後も揺れる熱に呑まれていった。
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