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第16話

するりと我が懐に入り優しい眼差しで俺を見る。 その黒曜石のような二つの瞳に俺を写し、嬉しげに頬を染めるタクミが愛しかった。 このような身なりの俺。 この国にいながら異国の要素を含む姿が疎ましかった。 だが、ここを守るには必要なのだ。 普通ならば怖がるだろうに、全く恐れず側にいてくれる。 一度手にしてしまえば離すことなど出来ぬ。 叶わぬ夢と思っていた。 欲しいと思ったのはお前だけだ。 「義一様・・・」 「どういたした」 「こんなに心安らかにいられる日が来るなど・・・考えたことすらありませんでした。」 「タクミ」 「義一様のお陰です。僕を花嫁として連れて来て頂いて、なんと感謝すればいいのか・・・一生、義一様の側で尽くさせて下さいませ。」 「感謝などいらん・・・ただ、側から離れることは許さん・・・何があっても、離したりはせぬ・・・許せ」 「義一様」 優しく笑うておれ・・・ そなたの優しい心が里を豊かにしてくれるだろう。 その笑顔を守る為ならなんだってしよう。 そなたの笑顔が見られるならば・・・

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