17 / 24
第17話
「そなたは・・・」
「なんですか?義一様・・・」
「周りに何を言われようと気にする必要はない。
この婚儀に違を唱える者も少なからずおる。
私がいない間、そなたを1人にするのが気になって仕方がない。」
「大丈夫です。皆、大事にして下さいます。
少しばかり妬まれることはありましょうが、大丈夫です・・・義一様。」
凛とした眼差しで俺を見据えて微笑む笑顔の綺麗なことか・・・
「その様に笑むのは俺の前だけにいたせ・・・良いな・・・」
「どの様な顔をしているか私にはわかりませんので・・・」
そうだな、そなたにはわかるまい。
その様に綺麗な顔で微笑めば、全てを虜にしてしまうだろう。
だが俺は隠しておきたいのだ。
俺だけが見れる顔なのだと・・・
「・・・そのままでいよ・・・変わらぬままで良い・・・」
そう、そなたは綺麗なままで、いつまでも側にいてくれ。
そして、こんな俺を愛しておくれ。
お前がいればそれでいい。
タクミ、お前をシアワセにしてこそ、我が一族の繁栄がもたらされる。
この異形の俺を、恐れずにいてくれて感謝している。
ともだちにシェアしよう!