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第18話

三日の儀が終わった。 義一様と過ごした、この三日間。 誰にも会わず、ただひたすらに義一様に身も心も全てを捧げ愛された。 そして一つ、変わった事がある。 外の世界に出て気づいた。 今まで感じる事のなかった優しく暖かな僕を呼ぶ声が聞こえてきた。 はじめは小さく、弱弱しく聞こえていた声。 それはある日、小さな小さな子供達の姿になって見えた。 《ワレガミエルカ、ヨメドノ》 「えっ⁈」 《ミエルデアロウ?ヨメドノ》 「君達が話してるの?」 《ヤッパリ、ミエテルノダナ、ヨメドノ》 と嬉しそうに言う小さな子供達。 ワラワラと僕の方へ集まって来ては、僕に《ヨメドノ、ヨメドノ》と声を掛けて行く。 《イイヨメドノヲ モラッタ、ウレシイナ、ウレシイナ》 村のあちらこちらにいるのに、村の人々には見えてはいないらしい。 《アヤツラニハ ミエンヨ。ヨメドノハ トクベツジャ》 「トクベツ?」 《ソウジャ、トクベツジャ。オニノ ヨメドノダカラナ。ダカラトイッテ、ワレガミエヌモノモオッタ。ダカラ、ウヌハ トクベツナノジャ》 そんな風に言って貰えることが、僕にとってどんなに嬉しいことだったか、この子達にはわからないだろうな。 トクベツが、こんなに嬉しい言葉だって初めて知ったよ。

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