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第19話

《ウレシヤ ウレシヤ》 《オニドノ ヨキヨメドノ ヲ モラッタ ウレシヤ ウレシヤ》 「そんなに嬉しいか?」 《ウレシイ コンドノ ヨメドノハ ミエル ミエル》 「そうか、良かったな」 「義一様、見えるのですか?」 キョトンとしながら俺を見つめて言うタクミが可愛かった。 「あぁ、この村が豊かなのはアレがいるからだ。いないところは栄えたりしない。」 「そう、皆優しい良い子ばかりですね」 タクミが言うと、ことさら嬉しそうに笑顔を振りまく精霊達。 精霊達には名前がない。 《ウレシイ ヨメドノ ワレ 二 ナヲ 》 「名前?」 《ソウ ナヲ ヨンデクレ》 「義一様、この子達の名前はなんと言うのです?」 「アレに名は無い。タクミがつけてあげれば良い。それを待っている。」 「僕が?」 「あぁ、付けてやってくれ。アレも喜ぶ」 「この村を守る精霊達なのですよね」 「そうだ」 「ならば、コタンクムカムイ(村を守る神)ですね・・・ではカムイと呼ぶ事にしましょうか」 タクミの言葉に俺は驚き、精霊達は喜び勇んだ。 そして精霊達は「カムイ」の名をタクミから貰ったのだった。 ※コタンクルカムイとはアイヌ語で村を守る神としてシマフクロウの事をそう呼ぶそうです。 その由来から「カムイ」と付けました。 (※コトバンクで調べたものです。他にも呼び名はあるようなので一応の掲載です)

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