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第3話

―…そしてエルンがこの別館から、本館に御主人様の兄君が五年振りに遠方の戦地から帰還する為に手伝いとして呼ばれ、一週間屋敷を空ける初日に突然変化が起こった。 俺はその時、屋敷の客間の窓ガラスを翅を使い高い位置まで磨いていたんだ。 そして磨き終わり、柔らかな絨毯の上に足を着けた瞬間、腰に何かが巻きついてきた。 俺はその違和感に視線を下げたら、自分の腰に…虎の尻尾が巻きついていて…。 この屋敷で虎の尾と言えば、御主人様しか居ない…。 「何か御用ですか」と声を出す前に、素早く薄暗い客室に連れ込まれた。 するとそんな客室の壁に身体を押し付けられ、思わず壁に手を置いた時、背後の御主人様に… ―ズル…!! 「!?」 ズルリと一気に黒の膝丈ズボンと下着を足元まで下ろされ、尻が丸見えに…。 そして腰を両脇から持たれ、爪先立ちになってしまった。そして… 「…このまま…」 「へ…? …ぁっ」 ―ヌル…ニュル…ニュル…ヌ、ヌ、ヌチィ… 後ろから覆い被さられ、大きな手で太腿を左右から押さえられて俺の内腿に…御主人様の熱いペニスが出し入れされ始めた。 す、素股…されてる? にゅるにゅる、グチグチと滑りと粘着音に…どちらか分からない、興奮したニオイ。 御主人様の下からペニスを擦られる感触と先走りの滑りに、俺のペニスも立ち上がりながらトロトロと先走りを流し始めた。 な、な、何で!? 何だ、この状況!? そんな混乱する頭で、状況を整理してみる。 エルンではなく、自分をこういう相手をして、御主人様が選んだのは、多分…"切羽つまっている"から? だってエルンは今、本館準備の手伝い中で屋敷に居ない。ニ週間の内、まだ八日は帰ってこない。 その間、御主人様は夜に誰も呼んでないから、きっと"溜まっちゃった"んだ。 御主人様はまだまだ若い年齢だし、半獣人は性欲がとても強いと聞く…。 だから、エルンと近い年の俺を…とりあえずな発散目的で選んで、こうして暗がりで…。 暗いのと、顔が見えない後ろからならと…エルンに近い年齢と背丈、種族の俺を選んだんだろうな…。 「…テュラ…っ!」 「!!」 考えが纏まりそうな時、我が耳を疑う様な切ない声で御主人様は俺の名前を呼んで、吐精した。 自分のペニスを押し上げて吐き出しをしている、御主人様の大きなペニスにつられる様に、自分も僅かだが精を吐き出した。 俺は思わず口元を押さえ、歓喜の嗚咽が漏れるのを防いだ。 御主人様が"俺を求めてくれた"と、…そう感じた。 そう思っただけで、俺のペニスが震えて…僅かだが、壁に白い線を描いたんだ…。 脈打つ様なドクドクとした感覚が頭と心臓とペニスに起こり、内腿にまだある御主人様のペニスを締めてしまった。 すると御主人様は"ズルリ"とペニスを引き抜き自身のハンカチを取り出し、簡単に俺と自身を拭い服を整えてソファーに座った。 「…テュラ、この事は…エルンには秘密…だ。良いな?」 「…! …はい」 俺を優しく太腿の上に横抱きにして、頭を撫でながら…何て残酷な方なのだろう…。 結局、俺はエルンが戻ってくるまでの代わりなのだ…。 でも、代わりでも御主人様が"俺を求めて"くれるのが、堪らなく嬉しい。 御主人様が俺を求めてくる時は決まって、誰も周りに居ない時に虎の尻尾を俺の胴に回してくる。 そしてその尾に優しく引き寄せられて、俺は御主人様の成すがままになる。 行為は素肌を触られたり、素股…だったり。 時には俺だけがペニスを扱かれて、御主人様の手で達するのを見られたりする。 俺は正直…後ろが疼くのだけど、御主人様はソコを触りもしないし、俺も恥ずかしくて言えない…。 でも、尻たぶを揉んだり開いたり…。その行為で俺のアナルは少し伸びたり寄せられたり変形する。 …これは…俺のアナル…中に少しは興味が有るのかな? でも… 「…テュラ…」 行為中は俺の名前を優しく呼んでくれて、俺はそれが堪らなく嬉しく…同時にジリジリと痛む独占欲が強まる。 そして痛む独占欲と同時に、無邪気なエルンを思い出し、俺は…自分のその気持ちを刹那的なこの幸福とすり替えて"無し"にする。 "無し"にすれば、エルンに笑顔を向けられる。 俺はそう自分を信じて、二人部屋の自分のベッドに横たわる。 「……」 暗闇の中、簡易的な仕切り越しのエルンの空のベッドを想像して、そう思うんだ…。 ―…エルンは明日、本館から帰ってくる。

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