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第104話

しまったと思った時にはもう遅かった。 三条のくしゃみで目を覚ますと窓の向こうには暗闇が広がっている。 時計を確認すると21時を大きく過ぎていた。 あのままうつらうつらとあまりの心地好さに寝落ちてしまったのだ。 「三条っ、三条っ。 帰らないと…」 いまだ首に抱き着いたまま気持ち良さそうに眠っている三条を起こすのは心苦しいが床に座っているためすっかり冷えしまっている。 このままでは風邪をひかせてしまう。 「遥登っ」 「んー…」 ぺちぺち手の甲で頬を叩くとようやく覚醒した。 寝ぼけているのか首に額ををぐりぐり擦り付ける。 「起きろ。 俺まで寝ちまった。 時間も遅いし親御さん心配してるといけないから連絡いれろ。 送るから準備もな。 出来るよな?」 眠そうにとろんとした目を覗き込んで言い、こくんと頷くのを見届けて三条の服と上着を取りに寝室へ向かった。

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