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第105話

不必要な音を立てない様に仕切りの扉を閉め、三条の服を集める。 通話が終わるのを待ちながら自分も服を着替えた。 扉の向こうから寝起きだからか少し舌足らずな話し声が聞こえる。 「うん、うん、わかってる、大丈夫…じゃあね」 「ほら服、着替えろ。」 通話を切った三条に声をかけると小首を傾げられた。 どうしたかと視線を合わせて膝を付くと、また首に抱き着いてくる生徒に頭が着いていかない。 「今日、泊まるって、電話しました。」 「は…」 「ねむたいです…。 おやすみなさい。」 「マジかよ…。 起きろって。」 肩口にぐりぐり額を押し付けて嫌々し始める。 何時もの年相応と言うか少し大人びた印象とまた違う。 「んー。 泊まるって、言った。 帰るのおかしい。」 ひとつ小さく溜息を吐いた。 三条の言ってる事も理解出来る。 でも…教師としてどうなんだ… 教師…? あんな事をしておいてどの口が言える 泊まると言えば家族もその様に支度をするだろうし、時間も時間だ。 青少年健全育成条例の手前22時を過ぎて未成年を外に連れ出すのも気が引ける。 「…わかった。 ちゃんと親御さんに言ったんだな?」 嫌々を止め小さく頷く三条の背中をまたあやす様に撫でてやる。 ポンポンとしていると小さな寝息が聞こえてきた。 狡い大人だ

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