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第214話

付き合う事になって数週間経つがまだ緊張しているのか三条はフローリングに正座していた。 真面目で律儀な三条らしいと言えばらしい。 「まだ緊張してるのか?」 「そ、そんな事は…。」 パックの紅茶を入れたままのマグを持って来ると一分の狂いもない程先程と代わり映えしない三条に声をかけた。 しかも律儀に正座… いや、脚崩してるの見た事あったか…? マグをローテーブルに置くと同じく床に腰を降ろす。 そこはひんやりと冷たい。 「冷たいな」 「え、っと、…多少……」 背筋を伸ばしきゅっと握り締めた手ばかりを見て俯いている三条とは違い、片膝を立て胡座を崩した様な両手を後に着いただらしない格好の長岡。 悪戯心が沸き上がる。 そっと手を伸ばし真っ直ぐな背骨を腰からすっと撫で上げてみた。 「ひぁっ!」 びくっと前方に重心がかかり三条は脚を崩す。

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