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第241話

ぐぅぅ 部屋に響き渡る、雰囲気に合わない音に長岡は小さく笑うと腰を上げる。 「そういえば昼食ってねぇもんな。 っても、冷蔵庫にまともなもんねぇけどな。」 ──くんっ 冷蔵庫へ向かおうと足を踏み出すと、何か引っ張られている様な感覚に止まる。 背中を見るととシャツを引っ張る細い指がふとんから伸びていた。 「どうした? 腹減ったんだろ。」 長岡は元居た場所にしゃがみ、頭があるであろう膨らみを撫でる。 顔は見えないがこれはこれで可愛い。 「はーると、飯は。」 「…もう少し、」 「んじゃ、そろそろ顔見せろって。 キスしたい。」 もそっと塊が動いたがまだブランケットに包まったまま。 「……じゃあ、明日も…来て良いですか…?」 「ん。 勿論おいで。」 毎日会ってるのにまだ足りないのは長岡も同じ。 学校で生徒と教師としてではなく、1人の恋人として会いたい。 布越しにキスを落す。 またもぞっと動いたブランケットにだめ押しともう1度口をくっ付けると、漸くブランケットから真っ赤な顔を覗かせた。 「ふはっ、真っ赤。 ほら、口開け」 「…ん、ぅ、」 明日はデロデロに甘やかそうか。 それとも目茶苦茶に弄り倒そうか。 そう考えるだけで楽しくて仕方がなかった。

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