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第254話

カレーのにおいは何故こんなにも食欲を刺激するのだろう。 先生がカレーをあたため直している間にローテーブルを拭きスープとスプーンを運ぶ。 フキンを片手に炊事場を覗くとありがとなと頭を撫でられた。 やっぱり気恥ずかしい気持ちが先だってしまう。 何気ない事にもドキドキしてしまって顔が見られない。 さっきまでセックスしてたんだと1度意識してしまうと頭がいっぱいになってしまう。 「どうした? 暑いか?」 「えっ、あ」 顔を見られなくて俯くと、ひんやりした大きな手に額を触れられた。 途端、アツくなる頬に力の入る身体。 「ん? あ、まだ意識してるとか。」 「だって…っ」 口ごもると頬に吸い付かれた。 自分より幾分か年上の恋人は体力が有り余ってでもいるのだろうか。 とても元気そうだ。

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