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第264話

前日、遥登から放課後少し時間が欲しいと連絡が来た。 勿論プライベートな用件で。 遥登を優先したいのは山々だがなにぶん仕事が溜まっていて定時にはあがれない。 それでも構わないかと問うと、それでも構わないと言うもんだから定時を少し回った頃自宅で出来る仕事をごっそりと持ち帰路についた。 駐車場から部屋を覗くと明かりが点いている。 それだけでなんだか心がいっぱいになるのだから随分と年下の恋人にぞっこんだ。 急いで階段を駆け上がり玄関に鍵を差し入れる。 ドアを開けると玄関先に綺麗に揃えられた靴。 靴を脱ぐのも、全てがもどかしい。 鞄と資料の入った紙袋を玄関に置いたままリビングへと続くドアを開ける。 何時もの場所に、膝を抱えて単行本を読む愛しい恋人がいた。 「あ、おかえりなさい。 お邪魔してます。」 「ただいま。」 「わっ」 細い腕を掴み、腕の中に閉じ込めた。 おかえり。 たった一言にあたたかな気持ちになる。 「うん。 ただいま。」 「おかえりなさい、正宗さん。」 その気持ちが伝わったのか遥登にしては大胆に背中に手が回った。 制服を着た遥登に甘えられるのも新鮮で良いな これはコスチュームプレイの良さが解る なんだかいけない事してるみてぇ 胸に顔を埋める恋人とぬくもりを分け合った。

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