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第270話
長岡の声に意地悪さが混じる。
弄っていた本から手を離し腕に顔を埋めるように隠す。
顔を見られている訳ではないのに居た堪れない。
『じゃあ、あと2日我慢だな。
出来るか?』
「はい…頑張ります。」
『頑張るんだ。
変態。』
やば
頑張るってヤる事しか考えてないみたいじゃ…
恥ずかしい…
顔から火が出そうだ。
明日も顔を合わせる相手に、なんて暴露みたいな事を言ってるのか。
電話越しなのに長岡の楽しそうな空気が分かる。
小さく唸るとクスクス笑われた。
きっと会った時も言われるんだ。
『俺も4棟のトイレ使おうかな。
な?』
「はい、」
でも、早く会いたい。
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