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第272話

右の口角が上がる わざとだ… 「そう。 大丈夫そうだな。」 一瞬目を覗かれ、回答に不備がないのを確認すると立ち上がる。 空気がふわりと動いた。 教室のにおいに混じって濃く長岡のにおいがする。 近いのに遠い。 「また分からなかったら呼んでな。」 「ありがとうございます。」 「せんせー、ここって…」 「ちょっと待ってな。 あー、ここはな…」 すぐに他のクラスメイトに呼ばれ行ってしまった。 『楽しみだな』 プリントの余白に書かれた文字。 先生も同じ気持ちなのが嬉しい。 休みが待ち遠しい

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