272 / 1273
第272話
右の口角が上がる
わざとだ…
「そう。
大丈夫そうだな。」
一瞬目を覗かれ、回答に不備がないのを確認すると立ち上がる。
空気がふわりと動いた。
教室のにおいに混じって濃く長岡のにおいがする。
近いのに遠い。
「また分からなかったら呼んでな。」
「ありがとうございます。」
「せんせー、ここって…」
「ちょっと待ってな。
あー、ここはな…」
すぐに他のクラスメイトに呼ばれ行ってしまった。
『楽しみだな』
プリントの余白に書かれた文字。
先生も同じ気持ちなのが嬉しい。
休みが待ち遠しい
ともだちにシェアしよう!