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第301話

鈍い色の空から雨が降り注ぐ。 ザアザアとベランダの底を濡らしていた。 「ん……あっ…きもちぃ…ん」 「ん、俺も」 唇を合わせると、嬌声は長岡の口へと飲み込まれていく。 あたたかかった筈のマグカップの中身はテーブルの上ですっかり冷めてしまっていた。 「ぷぁ、ぁ…正宗さん、きもち…っ…きもちぃ」 「キスだけは上手くならねぇな。」 最中にやわらかくなる表情が好き。 自分だけが知ってる顔。 わざと浅いところばかりをぐちぐちといじられ、もどかしい。 「べんきょ、します…っ、」 「流石優等生。 ほら、舌出せ。 教えてやるよ。」 硬い床での行為。 自分を気遣ってか対面座位。 べ、と舌を出すと待ってましたとばかりに食べられてしまう。 「ん、う……」 飲み込めない唾液が顎を伝う。 どちらのものかもわからないそれは糸を引いて落ちた。 「俺の舌吸ってみな。 上手に出来たらイかせてやる。」 「……口、開けてください…」 うっすら開いた口に自分のそれを重ね、舌を割り入れる。 ヌルリと触れ合う感覚に腰が甘く痺れた。 銜えたままの後孔が酷く疼く。 恥ずかしくて思考回路がショートしそうだ。

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