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第313話

3連休を利用して三条は長岡の家に泊まりに来た。 緊張する指でインターホンを押す。 愛しい人が出迎えてくれるこの瞬間が好きだ。 「おはよう。」 「おはようございます。 あの、お世話になります。」 荷物を部屋の隅に下ろしすっかり定位置となった場所に座ろうとすると抱き抱えられた。 細い身体は長岡が思っている以上に軽い。 飯沢山食わしてやらねぇと、と思いながらも長岡の脳内は別の欲が勝つ。 「降ろしてください…っ、こわっ、わっ」 ベッドの上に降ろされるとそのままのしかかってきた。 「昼寝。 遥登も。」 「え、うわっ」 正面から押し倒され、ぼふっと背中からダイブした。 いくらベッドがあると解っていてもドキドキする。 やわらかいベッドは身体を痛める事なく三条と長岡を受け止めてくれた。 「昨日仕事持ち帰ってやってたから少しだけ…」 疲れていたのかすぐに規則正しい寝息が聴こえてきた。 色が抜け、赤茶けた髪を撫でる。 ワックスも付けず無造作に撥ねた髪が可愛い。 「お疲れ様です。」 ちゅ、ぅ こめかみに小さく吸い付く。 やってから自分の行動が恥ずかしく、そのままきつく目を瞑った。

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