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第314話
心地好良い睡魔から覚めると傍らに感じる体温。
見ると三条の上に乗っている自分の右手と三条の左手が繋がれていた。
腕に伝わる心音。
そんな小さな事さえ嬉しい。
起こさない様、携帯に手を伸ばしカメラに収める。
無防備な顔晒しちゃってんな
また少し痩せたか
さっきも軽かったな
襟刳りから覗く首筋は骨に皮が張り付いただけの様に細い。
肌寒いのか小さく身じろぐ三条の眉間が寄った。
あたたかなぬくもりを求め長岡に近づいて来た。
「ぅ…ん、」
「遥登、おはよう。」
「…あ…俺までっ」
「2人で昼寝。
贅沢だったな。」
繋がれたままの手に力を入れると遥登はびっくりした顔で手と長岡の顔を交互に見る。
なんで?と言いたげな顔が自分を見た瞬間キスをした。
「なに、無意識?
可愛い過ぎんだろ。」
「男に可愛いって…」
「可愛いだろ。
愛らしいにするか?」
それも…と思うのだが長岡はご機嫌だった。
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