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第335話
「はる、はーる、遥登」
「んー…」
先に起きたら起こしてくれと半分寝ている声で言われた通りに起こしてやる。
起こすのは忍びないが、約束は約束だ。
開ききってない目が自分を捕らえるとふにゃりと表情を変えた。
「あ、おはようございます。」
「おはよ。
もう少し寝るか。」
「んー、起きます。
起こしてくれてありがとうございます。」
寝起きのせいか昨夜のせいか声が掠れている。
もぞもぞと起き上がりふらふらと洗面所へと向かう細い身体。
身支度を整えて戻って来てからもどこかぼんやりしているのは寝不足だろう。
マグカップにインスタントコーヒーと砂糖を入れお湯を注ぎ、遥登に手渡す。
少し濃いめのコーヒーに遥登は少しずつ覚醒してきた。
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