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第337話
楽しい時間こそ早く過ぎて行く。
2泊もしてくれた遥登と散々甘い時間を楽しみ、でろでろに甘やかした。
満足と言えば満足だが、まだまだ足りない。
いや、きっと遥登が絡めば何事も満足感は得られてももっともっとと欲するのだろう。
「ん、着いたぞ。」
「ありがとうございます。」
三条の自宅近く迄送り届けられたが、別れには名残惜しい。
泊まりのせいか何時もよりずっと別れがたい。
贅沢になってしまった…
迷惑はかけたくないのに
帰りたく、ない
「遥登、また泊まりにおいで。」
「良いんですか…?」
「当たり前だろ。
楽しかったのは俺だけか?」
「そんな事はっ!
俺も楽しかったですっ!」
つい出てしまった大きな声に、長岡はクスクスと笑う。
暗くても解るその表情。
やわらかく甘いその顔に胸がいっぱいになる。
「ははっ、元気だな。
何時でも良いからな。
遠慮なんかすんなよ。」
「はい。
ありがとうございます。」
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