343 / 1273
第343話
体育館からの帰り道、田上と吉田と同じクラスだった喜びを噛み締める。
「3年まで一緒でほんっとうに良かったー。
俺ら友達少ねぇし、な!」
「うん。
田上と吉田と離れたらどうしようかと思った。」
「担任も変わんねえし、あんま新年度って実感わかねぇな。
教室が3階になる位か?」
田上も吉田も、担任も変わらない。
緩む頬を頬さえ押さえきれない。
「移動は不便だけどなー。
ロッカー移動重そう…。」
「三条。
なーに、ニヤニヤしてんだよ。」
「また同じクラスが嬉しいんだよ。」
後ろから追い越して言った担任の後ろ姿に更に口角が上がる。
楽しみになった新学期。
新学年。
「早くロッカー運ぼう。
で、昼飯食い行こう。」
「あ、行く!」
残り10日あまりの春休み。
早く過ぎないかなと教室へと急いだ。
ともだちにシェアしよう!