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第343話

体育館からの帰り道、田上と吉田と同じクラスだった喜びを噛み締める。 「3年まで一緒でほんっとうに良かったー。 俺ら友達少ねぇし、な!」 「うん。 田上と吉田と離れたらどうしようかと思った。」 「担任も変わんねえし、あんま新年度って実感わかねぇな。 教室が3階になる位か?」 田上も吉田も、担任も変わらない。 緩む頬を頬さえ押さえきれない。 「移動は不便だけどなー。 ロッカー移動重そう…。」 「三条。 なーに、ニヤニヤしてんだよ。」 「また同じクラスが嬉しいんだよ。」 後ろから追い越して言った担任の後ろ姿に更に口角が上がる。 楽しみになった新学期。 新学年。 「早くロッカー運ぼう。 で、昼飯食い行こう。」 「あ、行く!」 残り10日あまりの春休み。 早く過ぎないかなと教室へと急いだ。

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