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第350話

まだ上手く回らない頭で湯上がりにペットボトルから直接水分を摂っていると、上半身裸のまま長岡が部屋に入ってきた。 床に座っている三条の隣に腰を下ろすと一口くれとペットボトルを奪われる。 ごくごくと上下する喉のラインが男らしくて綺麗で見とれてしまう。 「はぁー、染みる。」 ポタポタと垂れる水滴に気が付き、何気なく見た背中に生々しい傷が残っていた。 「どうした? 服着ろってか?」 「ちがっ、俺…背中…っ」 肩甲骨から外側に走るその傷がなんで出来たのか理解した遥登はあまりの羞恥に口元を覆う。 一気に上昇する体温。 血液が沸騰しそうだ。 あぁ、と笑みを深めた恋人。 「はるちゃんが必死にしがみ付いてきて引っ掻いたんだよ。 そんなに俺の事話したくないなんて、俺愛されちゃってんな。」 「す、すみません…っ 痛く…ないですか…。」

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