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第361話

肉の焼ける香ばしいにおいに、ジュワーッと広がる醤油のにおいが混じると腹の虫が催促しだす。 「流石、高校生。 性欲に次は食欲か。 これ肉足りるか?」 「性欲って…。 正宗さんだって…その、すごかったじゃないですか…、」 「恋人が可愛いから収まらないんですよ。 それに、可愛くお強請りされて満足させてやれないなんて男じゃないだろ。」 意地悪げに細められた目にドキドキしてしまう。 右の口角が上がる時はわざとだ。 豆腐を味噌汁に入れながら見上げた長岡は楽しそうで、なんだか怒るに怒れないのは惚れた弱味ってやつなのか。 「満足したか?」 「あ……、その…、」 三条が答えに詰まると隣から大きな手が伸びてきて頭を撫でた。

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