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第373話
ソワソワと落ち着かないのは、明日からはじまる大型連休のせいだろう。
今年の祝日は土曜日と被っている為学生違は遊び足りない。
そんな中やっとやって来た連休なのだから浮足立ってしまうのは仕方がない。
「あーぁ。
三条は遊べないって言うし連休は寝て過ごすかな。」
「ごめんって。」
「彼女かな。
あー、彼女かな。」
「いや…」
彼女、ではない。
彼氏だ。
折角の連休だから遊ぼうと友人に話を持ち掛けられたが、生憎先約があると言ったらこの調子だった。
それは、決して責めている訳ではなく寧ろ構われている感じなのだが。
吉田は吉田で知佳ちゃんと会えないと嘆いている。
こちらは、休日より学校が好き迄は学生の鑑だが理由が理由だった。
『連休ってなんか予定あるか?』
『いえ、特にはないです。』
『じゃ、遥登の時間貰って良いか?』
1ヶ月強ぶりに泊まりにおいでと誘われたのは、やけにキスを強請られたあの日、自宅に帰って来てからだった。
ほんの数十分前に分かれたばかりだと言うのに通話をしていた時。
「あー、予定もないし彼女もいないしつまんねー。
リア充に塗れた街に出んのもやだしなー。」
三条は苦笑を浮かべながら鈍く痛む腰を押さえた。
体育は勿論、笑っても鈍痛の襲う腰は長岡に貼ってもらった湿布のお陰でいくらかマシになったがまだ痛む。
『早く良くなってくれよ。
またセックスすんだから、な。』
『…っ!』
ジンジンと響く痛みも愛おしく思ってしまう俺は重症だ。
……休日が待ち遠しい
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