375 / 1273
第375話
デジタル時計は音もなく時を刻む。
すっかり日付けが変わり、寝落ちてしまった遥登の顔にかかる髪を払う。
くりくりとしたあの目は閉じられているが、その寝顔はまだあどけなさが残っている。
大人と子供の中間、ほんの一瞬のアンバランスさがあぶなげで儚くて目が離せない。
「う、ん…」
小さく丸まっている身体をもぞもぞと動かし、すり寄ってきた。
三条の方に身体を向け、右手でしっかりと腰を抱く。
長岡の体温に安心した様に頬を緩ませ眠る遥登に長岡も安心し、眠った。
ともだちにシェアしよう!