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第379話
今日は自分が夕飯作る筈だったのに…
セックスでくたくたになった身体は回復に睡眠を要求してきた。
その間に晩ご飯を作っていた長岡に三条はふくれている。
けれど、そんな小さな不満は目の前に置かれた料理によって弾き飛ばされた。
「っ!!
ハンバーグに目玉焼きのってます!」
「はは、良い反応すんな。
好きか。
良かったよ。」
長岡の焼いた目玉焼きは半熟とろとろで焼き加減が絶妙。
とろっとするものより、とろとろとしている方が好きな遥登は目を輝かせた。
「カレーにからあげかトンカツと悩んだんだよ。」
「それも素敵ですね。
正宗さんのカレー美味しかったです。」
ふにゃりと頬を緩ませた遥登は本当に食べるのが好きな様だ。
そんな遥登と一緒に食事をしていて気が付いた事がある。
遥登は誰か、今の場合は自分が食事にロを付けなきゃ自分もロを付けない。
本人は隠してるらしいが猫舌。
最初に味噌汁を飲む。
親御さんがしっかりされたのだろう。
ゆっくリだが綺麗に食べる様は気持ちが良い。
長岡がいただきますと味噌汁にロを付けると三条もそれに続いた。
「わっ、チーズ入ってます…!」
「誕生日だからな。
悪いな。
もっと良いもん食わせてやりたかったんだが、遥登の好みがわからなくてな。」
「そんな…っ、ハンバーグもチーズも目玉焼きも大好きですっ!
それに、正宗さんと食べるご飯はとっても美味しいです!」
ハンバーグをぱくりとロに運ぶとしあわせそうな顔をするからつい甘やかしてしまうが、本当に甘やかされているのは自分の方なのかもしれない。
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