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第380話
「ご馳走様でした。
すっごい美味しかったです。」
「何回も聞いたよ。
そんな美味しかったのか。」
「そんなに美味しかったんです。」
頬が蕩ける程の笑みを讃えた遥登の髪を撫でながら顔を近付けると肩が跳ねた。
ぎゅっと閉じられた目に笑いがでそうになる。
唇を撫でると薄く開かれた目が自分を捕えた。
「あの…さっきも、しましたし…ご飯、食べたばっかりで…」
「デザート」
「どんなエロ本ですか…」
「遥登もエロ本読むのか?
読むか。
今度おすすめの貸してくれよ。」
冗談を言いながら、唇を食む様に触れ合わせる。
あたたかくてやわらかくて何度も唇を触れ合わせ、その感触を楽しむ。
「ベッド、行く?」
「洗い物…」
「明日で良いだろ。
遥登の誕生日は今日しかねぇんだ。」
「シャワー、借りたいです。」
「一緒に入るか。」
意地悪で囁いた言葉に三条は小さく頷いた。
今日は素直だな
かわい
ふとん迄我慢できっかな
「ん。
じゃあ、2人で風呂入ってベッド行こうな。」
「背中、流します。」
「遥登の誕生日なんだから逆だろ。
俺が背中流しますよ。」
よしと手を引かれ脱衣所へ連れられた三条の誕生日はまだ終わらない。
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