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第390話

朝兼昼飯を食べ終え、ポカポカと日の光が差し込む窓辺に毛布を敷いて微睡みを楽しんだり動画を見たり無意識な過ごす時間は贅沢で、隣に遥登がいると更に純度を増す。 「今日もあったかいですね。」 「ああ。 洗濯物が乾くのは良いが少し暑いな。」 ぱたぱたと青空にはためく洗濯物は昨夜の情事でぐちゃぐちゃになったシーツや衣服。 自分の服の隣ではためく恋人の服。 「じゃんけんで負けた方がコンビニにアイス買いに行くか。」 「俺負けそうです。」 「俺は勝てそうです。 やらしーキスしてくれたら俺が行きますよ。」 「じゃんけんしましょう。」 グーとパーで遥登が勝ち、やったーと喜ぶとちらりと見えた腹部から昨夜の情事の赤が見えた。 「アイス、なんにしますか?」 「カリカリくんのソーダ味でお願いします。」 「んじゃ、行ってくるか。 留守番頼むな。」 「はい。 気を付けて行って来てください。」 ヒラヒラとてを降って出て行った長岡を追う様に、ベランダへと向かう。 暫くして地上を覗くと赤茶けた髪が見えた。 「正宗さん」 ぽつり、零した言葉に長岡は空を扇いだ。 距離もある。 第一、聴こえる程の声は出ていないのに。 優しく破顔したその顔は大陽の光を浴びてキラキラと綺麗で、胸がきゅんとする。 おかえりのキス位なら…出来る、はず 後ろ姿を見送りながら出来ると自己暗示をかけた。 長岡が帰って来るまであと数十分。 そんな午後の話。

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