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第391話

「はぁ、はぁ…っ…はぁ」 「はぁ…、…っ」  楽しかったゴールデンウィークも終わり月曜日。 まだ休みボケした身体に持久走は堪える。 暑い… 大陽は真上から容赦なか照り付ける。 あまりの暑さにジャージの前を寛げると幾らか風が通って涼しく感じる…気がする。 あと少しとラストスパートをかけ、2人追い抜き遂にゴール。 体育教師の読み上げたタイムを用紙に書き込み日陰へと逃げ込んだ。 「三条暑くねぇの?」 「あー、大丈夫…」 同じくゴールしたクラスメイトはジャージを着たままの三条に眉をしかめた。 日焼けしたくないと言っていた女子達でさえ暑さには勝てず腕捲りやジャージを脱いでる中、三条は前を少し開けたらだけ。 「マジかよ。 水飲みに行くけど田上達待つ?」 「いや、俺も行く。」 体育館脇の水道で水を飲んでいると、渡り廊下を通る人影が視界に入った。 「ちわーす」 「あぁ、体育か。 4限に体育なんて地獄だな。 持久走か?」 「そうっす。 終わり次第自由なんで終わっちゃえば楽なんすけどね。」 両手にごみ袋と括った書籍を手にクラスメイトと話している相手こそ、ジャージを着込んでいる理由の張本人なのだ。 身体中を彩るキスマークは指摘されて知っていた。 が、二の腕に迄あるとは思わなかった。 朝、制服に着替える際に気付けて良かった。 気付けずにクラスメイトから指摘されていたらと思うと…。 特に内側のやわらかい皮膚は生々しいほどの赤で、言い訳が思い付かずジャージを羽織って誤魔化している。

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