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第393話
4限の体育は最悪だ。
と、言いたい所だが、授業が終わりすぐに玄関へ向かえば好きなパンを差ほど並ばずに買えるからそう嫌なものでもない。
「おばちゃん、チキンタマゴサンドとデニッシュとメロンパン頂戴。」
「俺もデニッシュください。」
「ちょっと待ってね。」
暑さと持久走で腹が減った。
おにぎりを体育前に田上と吉田に取られながらも食べたがまだ足りない。
疲れた身体にはやっぱり甘いものだといちごのたっぷりのったデニッシュを購入する。
「はい、美味しく食べてね。」
「ありがとう。」
「ありがとー。
腹減ったー。
早く着替えてパン食いてぇ。」
「2人してデニッシュ好きだなぁ。」
「最高に美味いよな。
見ろよ、このいちご!」
雑談しながら賑やかになる廊下を逆走し更衣室へと向かう。
吉田は買ったばかりのスポーツ飲料をごくごくと煽り、至福の表情を浮かべた。
問題はここからだ。
朝は制服の下に体操着を着込み脱ぐだけで良かったが、体育終わりで汗ばみ気持ち悪いシャツを脱ぎたい。
脱ぎたいが、そうすると一瞬でも素肌を晒す事になってしまう。
素肌が見える、つまりキスマークが見られてしまうのは絶対に回避したい。
第一体育館と第二体育館と2つ体育館があるうち、割かし綺麗で広い第一体育館にみんなは集まる。
三条達の制服は体育教官室の隣にある第二体育館の方。
ゲーム仲間と田上吉田の数名しかいないにしても、仲が良い友人達だ。
どうしよう…
「ん?
三条、どうした?」
「トイレ…」
「おう。
先に着替えてんな。
あ、パン預かる。」
「ありがとう。」
体育館前で足踏みしていると振り返る友人に断りを入れ、トイレへと歩みを進めた。
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