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第394話

あっつ… パタパタとジャージの襟刳りを摘まみ中に空気を通しながら歩く。 何時もの4棟トイレ。 風が通り抜け、人気がない分涼しい気がする。 とりあえずでトイレに入ると背後に気配を感じた。 「暑そうな格好。」 「先生…っ」 ポケットから携帯を取り出すとメモ帳をタップする。 『脱げないんです』 三条の携帯を借り、長岡も打ち込む。 『なんで?』 ニヤニヤと緩んだ顔さえ格好良いのだから恨めしい。 キョロキョロと外を見渡して誰もいない事を確認すると、長岡の腕を引き個室に入った。 「積極的だなぁ。」 耳元で囁かれた言葉に三条は顔を真っ赤にする。  「ココ、さっき見えてたぞ。 見せ付けてんのか? 淫乱。」 「ちがっ…んぐっ」 「声でけぇよ。」 ココとさっきも突かれた鎖骨をなぞられつい大きな声が出てしまった。 授業終わりでトイレ脇を歩く足音が微かに聞こえはじめる。 シッと大きな手で口を覆われると鼻まで覆われ息が出来なくなる。 静かに出来るか問い掛けられ数度頷くと手は引き剥がされた。

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