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第395話

『痕が凄くて脱げないんです』 『痕?』 わざと惚ける長岡に三条は更に携帯に打ち込む。 『キスマークです 腕にまでついてて脱げません』 『つけてる最中は嬉しそうにしてたのにな 舐めただけで締め付けてきて、きもちかった』 学校で何でスイッチが入りそうなんだ… 『今日の先生、意地が悪いです』 『男の子なんで』 『意味が解りません 俺だって男ですよ』 作り笑いじゃない長岡の笑顔が狭い個室の中で迫ってきた。 凄く楽しそうな顔は教師のものじゃない。 その顔に心臓が跳ねる。 「すっげーいじめたい気分なんだよ。」 「ぇ…」 耳縁をぺろっと舐め上げられ、携帯を握る手に力が入る。 何で… 学校でこんないやらしい声… 腰がぞくぞくする声に三条はきつく目を瞑る。 すぐ脇を通る1学年の楽しそうな声と、この個室内の雰囲気のアンバランスさが興奮材料になるなんて1年前は知る由もなかった。 「さっき、田上達とじゃれてただろ。 普通の生徒みたいで、すっげぇ汚したくなった。」 声が出ない様手で口を覆った三条に、長岡は更に笑みを深めた。 「俺、普通の生徒、です…」 「ふぅん」 三条の手から携帯を奪うと言葉を紡ぐ。 その間も反対の手が頬や耳を擽る。 『普通の生徒が、担任とトイレで何してんだよ ツレションにしては仲良過ぎだよな』 熱い… 『物欲しげな目させてどうした』 三条は首否を繰り返し事しか出来ない。 煽られてはいけない… のに… ペロ 唇を舐められ、その先を期待してしまういやらしい身体。

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