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第399話

放課後、40分程電車に揺られ繁華街へと出ると駅前は同じく制服を着た若者達で溢れていた。 「こっち。」 「うん?」 溢れる人混みを掻き分けながら、三条達もその人混みに溶ける。 田上に着いて吉田をとその背中を追い掛けていくとそこは夢の様な場所だった。 甘いにおい。 ショーケースに並ぶ色とりどりのケーキ。 三条は目を輝かせた。 「60分食い放題。」 「え?」 「誕生日祝いな。 三条甘いの好きだろ。」 な?と吉田が同意を求めて来た。 「ほら、時間勿体ねぇから食おうぜ。 あ、飲み物なんにする?」 「俺、アイスコーヒー。 三条は?」 「あ、俺もアイスコーヒー。 あの、ありがとう。」 感謝を述べると友人達は悪戯が成功した子供みたいな顔で笑った。 「どういたしまして!」

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