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第400話
しあわせな時間を堪能しその後も遊んで、日がとっぷりとくれてから解散した。
三条の目の前には、誕生日プレゼントだと田上から帰りの電車中で渡された紙袋。
一体なんだろうと中身を持ち上げると奥にもう1つ小さい箱が隠れていた。
何で別々なんだろうと思いつつも今しがた持ち上げた方のラッピングを剥がすと、レトルトのカレーやお茶、紅茶のパック、駄菓子がぎっしりと詰まっている箱が入っていた。
カレー!
ここのグリーンカレー美味しいんだよな
って、いくつ入ってんだよ
思わず笑みが零れた。
もう1つはなんだろうと、小さい方にも手を伸ばす。
舌切り雀は小さい包の方に小判が詰まっていたけど。
いちご味
極薄
0.02ミリ
最薄
0.01ミリ
思わず再確認したソレ。
高校生の悪ノリと冗談の混じったプレゼントだ。
三条にだってそれ位解る。
でも味って…
「兄ちゃん、いちごー!」
「今っ、行く」
「早くー」
階下からの弟の声にびくりと反応した身体。
やましいものではない。
大切なものだ。
だけど、見られるのは駄目だと隠し場所を探す。
クローゼットなら…
そっと箱の中身をクローゼットの隅に置いて階下に向かった。
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