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第406話

「お待たせ致しました。 …はい、えぇ、…はい」 遥登はどうしただろうか。 どうしているだろうか。 「はい、人数分…そうです。 204冊でお願い致します。」 メモを見ながら確認をするが、気が気じゃない。 だが、仕事は仕事。 疎かにする事も出来ない。 必要事項には追加でマーカーラインを引きながら聞き漏らさない様耳を傾ける。 昼の内に確認しといて良かった 「はい。 では、失礼致します。」 先方が電話を切ったのを確認してから長岡も受話器を置いた。 一度事務室に行ってファックスを受け取って、確認してから… 最短で仕事を終わらせる事が出来る様考える。 勃ったまま電車はきついだろうし、自分で満足に処理も出来ないんじゃ苦しいだろう。 同性だからこそ痛い程解る。 もし、まだトイレにいたら…。 ほんの少しいやらしい想像をしなくもないが、長岡は急いで事務室へと向かった。

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