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第418話

長岡のにおいを洗い流し、新たに袖を通した自分の私服からも香るにおいにまだドキドキとしてしまう。 自分が思っている以上に長岡が好きだと自覚させられる。 シーツを替えられすっかり清潔さを取り戻したベッドを見ない様に定位置に座ると、長岡が自分の座っているソファの隣を叩いた。 「湿布貼るからおいで。」 「はい。」 噛み付かれた鎖骨に貼られた湿布になんだか長岡のにおいが掠れた様な気がして寂しくなる。 貪欲な自分。 三条は湿布薬の開封口を閉める長岡の手にそっと手を伸ばす。 自分より大きな手はひんやりと冷たい。 「あの……抱き締めてもらっても、良いでしょうか…」 一瞬驚いた顔をした長岡はふわりと顔を綻ばせた。 「当たり前だろ。」 ぎゅぅっと抱き締めれると濃く香るにおいに三条も頬を緩ませた。 あたたかな胸の中。 まるで夢の中みたいに心地が良い。 「悪かったな。 目立つ所噛んじまった。 体育の時目立つな。」 「大丈夫です。 う、うれしい、です。」 素直な気持ちを露吐し、長岡の背中に手を回し三条からも抱き付くと自分を抱き締める腕に力が入った。 「可愛い過ぎんだろ。 たまんねぇ。」 嬉しくて嬉しくて長い間抱き合っていた。 それでも足りなくて毎日が休みだったら良いな、なんて女々しい事を思ったり。 正宗さん、好きです そんな気持ちを込めて頬を擦り付けると長岡からも返ってきた。

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