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第420話

「男に可愛いなんて言いません…」 「確かに遥登は男だけど、俺の恋人だ。 恋人に可愛いは言うだろ。」 くりくりとした目が長岡を捕らえると、ぶわわわっと更に頬を上気させた。 その様子は何度見ても飽きる事はない。 長岡は口角を上げる。 「恥ずかしくないんですか…」 「恥ずかしがってたら教師なんて出来ねぇよ。 それに、フランス文学なんてもっとすげぇぞ。 貸すから読んでみろよ。」 甘い愛の言葉がずらりと並んだフランス文学を学生時代に読んだ事があるのも事実だが、そもそも長岡の専攻は古典で、本当は遥登の初な反応が見たいだけでからかっているのは本人には内緒。 思い通りの反応に、長岡はほくそ笑む。 「正宗さんも可愛いです。」 「こんなでかい野郎に可愛いもあるかよ。」 「可愛いです。」 弄っていた手を絡め、甲をちゅっと吸うと遥登は目を真ん丸くした。 「正宗さん…? え、んぅ…っ」 そのまま遥登の上に乗り上げると唾液を交換する様なキスを交わす。 「はっ…息…できな…ッ…ンん…ン」 「ほら、かわいー」 とろけた顔で自分を見上げる三条にもう1回もう1回とキスを降らせた。

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