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第421話

三条達は同じ階になった図書室に頻繁に出入りするようになった。 新刊が読めるだけでなく、冷暖房完備は有り難い。 そもそも今迄は棟も階も違い2学年教室前を通るのも気が引けて中々足が向かわなかっただけで、同じ3階にになった今は存分に利用している。 「ここってこの数式化で良いんだっけ?」 「あー…、そう。 その問題集ちょいちょい微妙な引っ掛け出してくるよな。」 数式問題は数をこなせば慣れるが、慣れる迄が大変だ。 三条も田上も資料集や教科書と問題集を見比べながらテストに向けて出来る事をこなしている。 そんな中、カリカリとシャーペンが紙を上を走る音が響く静寂を破る音がした。 「お待たせ。 相川先生見付かんなくて帰ったかと思ったわ…」 何時ものテンションのまま声だけを潜めて入って来た吉田は同席者に目を見開いた。 「…っ!? 知佳ちゃん…っ、未知子ちゃんっ」 「あ、お邪魔してます。 どこも机いっぱいで帰ろうと思ったら三条くん達が席分けてくれたの。 一緒にいても良いかな…?」 ブンブン頭を降る吉田に知佳ちゃんは良かったと笑顔を見せた。 椅子の上に放置していた鞄を退かし、知佳ちゃんと田上の間に腰を下ろすとそわそわとプリントをまとめだす吉田に三条と田上はニヤニヤと目を合わせる。 そんな2人に気が付いた吉田とも目が合ったが隣の知佳ちゃんが気になるのかすぐに視線を手元に戻した。 甘酸っぱい吉田に田上と小さく笑うと、三条も問題集を片付けるべく視線を下ろした。

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