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第432話
もぞもぞと動く三条に長岡は抱き留める腕に力をいれた。
「逃げんなって。」
「俺、子供ですから…あの、だから」
「じゃあ、尚更大人な事教えてやらないと。」
ちゅぅっと髪にキスを落とされどきどきとしてしまう。
何度経験してもはじめての様な反応しか出来ない。
「はずかし、い、です…」
ぽつり、溢した言葉は本音。
「それで良いんだよ。
セックスなんて恥ずかしいもんなんだ。
恥ずかしくなきゃ誰とでも出来んだろ。
恥ずかしいから本当に好きな奴としか出来ねぇんだ。」
自分を見る長岡の目は、あの頃と変わらない雄の目をしている。
だけど、慈愛も感じる。
愛おしく自分を見る目。
何時からだろうか。
長岡の目に愛情が滲み出したのは。
「あ、」
「だから恥ずかしいくて良いんだよ。
沢山恥ずかしがれ。
俺だけだ。」
正宗さんだけ
「正宗さんだけ…」
「俺も遥登だけだ。」
もしかしたら、最初からだったかも知れない。
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