「最終対決は軍別リレーです。」 お遊び半分本気半分の教職員も参加の最終イベントはリレー。 選手達は残り僅かな体力を振り絞る。 「がんばれーっ」 応援合戦、学年別対決と午後も目白押し。 もう明日の事など気にせずに楽しんでいた。 「先生チームも頑張ってください。」 トラックを半周回り、どんどんバトルが手渡されていく。 体育教師が半周に入るとアンカーがスタートラインに立った。 正宗さん…っ 「アンカー、長岡だ。 ありゃリーチあるから有利だよな。 ほら、去年もすごかったし。」 何処かで女子生徒の黄色い声援が聞こえる。 体育教師がバトルを手渡すと長岡は加速した。 １人、２人と生徒を追い抜かす。 大人気なくもぐんぐんと。 アンカーの長岡はトラックを一周して二着でゴールに入った。 涼しい顔で係りにバトンを手渡すその横顔にドキドキしてしまう。 きゅぅっと苦しくて、ふわふわと甘い。 「一着は赤軍、二着は先生チーム、三着は…」 「長岡抜いたなー。 でも二着か。 惜しかったな。」 「うん。 そうだな。」 アツいのは太陽のせいか。 それとも、長岡のせいか。 ギラギラと照り付ける太陽が旋毛を焼く。