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第446話
後片付けを済ませ職員室に顔を出し、自席に積まれたプリントの類いや閲覧物に目を通す。
今すぐどうこうすべきものもなく、それらを持って職員室を出る。
すれ違う生徒達はまだ体力があるようで元気だ。
ほんの数歳違うだけだが、その数歳の差は大きい。
「先生リレーかっこよかったよー」
「あぁ、ありがとうございます。
気を付けて帰ってください。」
お愛想を言ってくれる女子生徒に簡単に挨拶を済ませ、じっとりと汗ばむ廊下を足早に進む。
楽しそうな生徒の声を聞きながら準備室のドアを開けると一足先に戻って来ていた先生方によって冷やされていた。
冷たい空気が気持ち良い。
ペットボトルの烏龍茶はすっかり温くなっていて飲む気が失せていたが喉の乾きには勝てない。
一口口に含むとそれでも乾いた身体には有り難いものだった。
遥登の喜びそうな事…
教案を纏めている最中もそればかりが頭を占めていた。
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