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第449話

よく晴れた土曜日。 何時も様に呼鈴が鳴らされたのは、何時もより少し昼に近くなってからだった。 玄関扉を開けると遥登は律儀に頭を下げる。 「おはようございます。 お待たせしました。 これ、お土産です。」 「おはよう。 …アイスと飲み物?」 玄関を入ってすぐに手渡されたのはコンビニ袋に沢山入ったアイスと飲み物。 事前に寄りたい所があるから少し遅れると連絡がきたが、まさかこれだったとは。 「はい。 暑いですから冷たいのが良いかなって。」 「ありがとう。 でも俺に気を遣うな。 こんな汗かいて。」 首筋に浮かんだ汗を手で拭うと高い体温が伝わってくる。 近くのコンビニ、近くといっても徒歩10分程かかるそこにこの気温の中を往復20分かけて歩いて行った遥登の体温は何時もより高い。 「気なんて遣ってません。 あの、アイスは半分こしようと思って、ですね…その、お風呂上がりに…一緒に」 はにかみながら一緒に半分こなんて言われグッとこない訳がない。 この年下の恋人にメロメロだ。 それに、今日は泊り。 帰さなくて良い。 久しぶりの外泊に三条も長岡も胸が踊っていた。

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