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第476話
「はる、お手」
「え…?
あ、はい。」
差し出された手のひらに自分のそれを重ねる。
長岡を見上げ首を傾げると、大きな手が髪を掻き回した。
「わっ、わ、」
「本当に可愛いな。
犬みてぇ。」
目を細めて笑う長岡に胸がきゅんとする。
ドキドキがとまらない。
太陽の光りが長岡の髪をキラキラと輝かせていて綺麗で、眩しい位の輝きに三条も目を細めると一瞬鼻先にナニかが触れた。
「んっ」
「良い子にはご褒美。
俺ももらったけど。」
自分を甘やかす優しい声。
「はる、わんって言って。」
「わ、わん…?」
「あ"ー、帰したくねぇ。
ベッド行くか。」
「え、まってくだ、脱がしちゃ駄目です…っ」
好きでたまらない人と離れがたいのは三条も同じ。
服の裾から侵入してきた手に抗う事なんて出来やしなかった。
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