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第478話
「くぁーっ、校長の話長過ぎだろ。
けついてぇ。」
「しかも、暑いし。」
うだうだと文句を溢しながら長い階段を上がる3人組。
相変わらず話の長い校長に欠伸を何度噛み殺した事か。
それも去年も聞いた話だった。
話す事がないなら話さなくて良いのに。
教室内はどこもやっとやって来た夏休みにみんなどこか浮き足だっている。
課題こそあれ、好きな時に起きて寝ても良いのだ。
冷房の効いた部屋でだらだらしたり、食っては寝ても構わない。
「今日このまま家来る?」
「そうしようかな。」
「俺、一旦帰るわ。
荷物置いてく。」
約束していた田上の地元で行われる花火大会。
三条と田上は方向こそ同じだが、乗換駅で分かれお互いまた暫くの間電車に揺られる。
田舎の電車などそう本数も多くない。
それならこの辺りで時間を潰した方が良さそうだ。
「あ、俺も着替えたら三条だけ制服になんのか。
どうしようかな。」
「俺の事は気にしなくて良いよ。」
んーと間延びした返答に配布物や課題を詰め終えた田上が伸びをする。
「とりあえず昼食おう。
腹減った。」
その声に頷くと丁度良く担任が入ってきた。
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