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第483話

仕事から帰宅すると、部屋からは美味しそうなにおいが漂っていた。 ぐぅぐぅと催促する腹の虫を抑えつつ、部屋へと続く扉を開ける。 「おかえりなさい。 お邪魔してます。」 「ただいま。」 可愛い恋人の笑顔が出迎えてくれた。 補講が終わってそのまま来たのか制服のままだ。 夏休み中という事もあり、時間に自由のある三条は主のいない部屋に遊びに来ていた。 涼しくはないが三条好みの本も沢山あるし本人は楽しんでいる。 あくまでも手を洗うついでだと炊事場を覗くと長岡が食べたいとリクエストした夕食が既に出来上がっていた。 「美味そう。 煮魚食いたかったんだよ。 もう飯食っちまおうか迷うな。」 「味噌汁あたためますか?」 いそいそと隣にやって来た三条。 小首を傾げる仕草も可愛く、仕事の疲れが癒されていく。 「先に」 「?」 小さなリップ音をたてて顔が一瞬重なった。 「おかえりのキスだろ。」 何時まで経っても初な反応をする三条に気を良くして、長岡はもう一度口に吸い付いた。

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