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第488話

真面目なフリした教師の仮面を外せば、大切な子息を強姦し付き合っている淫行教師か。 自虐的な笑みが零れる。 「先生…?」 「あぁ、悪い。 大丈夫だ。 気にするな。」 「でも…」 「三者面談の話が出た時から胃がキリキリしてたんだ。 前にも会ってるけど、その時とはまた関係が違うしすっげぇ緊張した。」 「先生、なんて事ない顔してて、ドキドキしてるの俺だけかと思いました…。」 3日間の三者面談もやっと終わった土曜日。 連日張り詰めていた緊張の糸がほどけた長岡はソファにだらしなく横になっていたが、三条の心配気な声に座り直した。 くりくりとした目に自分が映る。 目の前に座る恋人の中で、一体自分はどう思われているのだろうか。 気持ちを静める様にコーヒーを一口口に含む。 苦さにどこかすっきりとする。 不安気に見上げる三条の隣に座りなおすと、肉のない頬を両手で挟んだ。 むにむにとしたいがなにせ肉が足りない。 「後悔はしてない。 それにまた先生に戻ってる。」 「まはむねはん」 「何言ってるかわかんねぇ」 そう。 この関係を後悔したことはない。 例え、教師として最低な事だとしても。 人として間違った事をしたと言われても。 「あ、やっぱり俺落ち込んでるから励ましてくれよ。」 「ん?」 「ほら、早く」

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