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第506話
「痛くねぇ?」
「はい…大丈夫です、」
キシッと肌を這う縄。
首からぶら下がるそれは、鎖骨の下、胸の下、臍の上に結び目を作られ股間を通って背中側へと回された。
背中に回された縄を首へと通されひかれると、くいっと股間を締め上げる。
「うぁっ」
「呼吸出来るか?
ゆっくり息吐け。」
「は、い…」
やってる事とは裏腹に自分を気遣う長岡が言ったすごい事、それが緊縛プレイだなんて三条は思いもしなかった。
手をひかれ一緒に寝室へと入り、リビングと寝室とを隔てる扉を閉め完全な個室にすると、三条をベッドに座らせ長岡は備え付けのクローゼットへと向かった。
長岡が寝室の扉を閉める事は部屋が余程散らかっている時か就寝時位で白昼は殆どなかった。
それがまるで、セックスの為の空間を作ったかの様で今更ながらどうやって待ってたら良いのか解らず足元を見詰め淫靡な空気に耐える。
どうしよう…
どんな顔して待ってれば良いか解んない…
ぐるぐると頭を働かせているとクローゼットの開閉音に緊張が走る。
キシッとベットを軋ませ、自分の口をまた吸う恋人に押し倒されたのはほんの5分前。
5分後、こんな姿にされるなんて思いもしなかった。
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