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第516話
「なぁ、夜飯何が食いたい?
何でも作る。」
風呂あがり、うなじに何度も唇を寄せる長岡の心地好い温度にとろとろしていた条はその言葉にはっとした。
「俺が!作ります!」
「びっくりした。
元気だな。」
三条のくりくりとした目がきらきら輝く。
次こそ挽回したいと息巻く恋人。
駄目ですか?と可愛らしく尋ねてくる三条に頼むなと願えば、その目はさらに輝いた。
髪を撫でるとにこにこと口角も上がり、長岡の1番好きな笑顔を惜し気もなく見せてくれる。
「何が食べたいですか?
家庭料理なら一通りは作れるはずです。」
「じゃあ、オムライス。」
一呼吸置いて長岡は答えた。
さっきまでの行為の力強さとは真逆に可愛らしいオーダーに三条は頷く。
「たまごは薄焼きですか?
とろとろのですか?」
「あー、薄焼き」
「お任せください。」
チキンライスではなくウインナーのケチャップライスが良いと言うとまた笑顔で頷いた。
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