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第519話
「歯磨き済んだし良いだろ。」
「はい…ん、」
ぎゅっと目を瞑ると触れるだけのキスが降ってきた。
顔のすぐ近くで優しく笑う声が聴こえる。
「ミントの味すんな。」
「歯磨き、したから…」
「もっかい」
幾度か啄む様なキスを繰り返し、三条がとろんとしてきた頃やっと口を離した。
「もっと」
「ン"…」
次は舌が入ってきて、思わず身構えてしまう。
触れるだけのキスならまだ慣れてきたはず。
でも、深いのは呼吸が上手く出来ずいまだに慣れない。
「…っ…ん」
どうしよう…きもち…
「…っ、ふぁ…」
「あぶね」
腰の力が抜けた三条は倒れそうになる。
洗面台に頭をぶつけそうになり、ギリギリで長岡に抱き止められた。
「なに、そんな気持ちかった?」
キスされただけでこんな…
身体おかしい…
「俺…」
濡れた唇を長岡は指で拭い、三条を洗面台に上げる。
俯き顔を隠す三条を上向かせ鼻先にもちゅっとキスをした。
「すげぇ嬉しい。
キスだけでそんな感じくれんだろ。」
「それは…」
「男にしてみたらそれって最高だろ。」
「俺だって男です」
「知ってる。
昨日もちんこ見たし、フェラだってした。」
恥ずかしがる素振りはするが、しっかりと服を握った手はそのままの三条を畳み掛ける。
朝から盛れるなんてまだ若い下半身に内心苦笑を漏らしながらも、可愛い恋人との甘い時間を堪能するなら長い方が良いかなんて自分に甘い事を考えながら長岡は耳を舐めた。
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